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遠い想い出

作者 かおるこ
<あらすじ> .
タイトル「第◯話~」をクリックすると文章が開きます。

第1話 おむつがちょっとでも濡れると泣き止まなかった
「遠い想い出」

自分は皮膚感覚がとても敏感だ。過敏と言ってもいい位である。
「感じやすい」というと変な誤解を受けそうだが。

指先、掌、足の裏、首筋、脇の下、内股、鼠径部、乳首周り、背中、脇腹、お尻。
それじゃあ全身じゃないか(笑)。

小さい時から散髪の後、短い毛が首筋から紛れ込むと、ジガジガしてその後、ものすごく不快であった。当然ながら、違和感には敏感に拒絶反応する。

母親に言わせれば、おむつがちょっとでも濡れると泣き止まなかったそうだ。

 

そんな肌の敏感さが、後に女性下着やサニタリーショーツ、生ゴムやビニール製のおむつカバーなどの、あの独特の感触に引き込まれ甘美な世界の虜となり、今の自分の性癖が形成されたと思っている。

 

指先には過去付き合った複数の女性達の花芯の感触が残っており、かなりの時間を経過した今でもその感触が呼び起こされ、彼女達のそれぞれの女の特徴を今でも感じることが出来るのだ。

頭での記憶ではない、皮膚での記憶なのだ。「皮膚記憶」とで言おうか。

自分には9歳下の弟がいた。その弟が生まれ、母親の傍らでおむつ替えを見ていたら、何やら奇妙な感覚を感じた。興奮と言っても良い。

指先に触れたおむつカバーの感触、母親が弟のおむつ替えをし、その後胸に抱えてその豊満な乳房から授乳する。何やら羨ましく思った。


自分はもう小学4年生なのに!

赤ちゃん返りしたのだろうか? 


おむつを着けたい。おむつを替えて欲しい。優しく母親に抱かれておっぱいを吸いたい・・・
むくむくと心の奥底でそんな気持ちが湧いてくるうちに、まだ毛も生えていないオチンチンがなにやら固くなってきて、オシッコに行きたくなるような自分に気が付く。

思春期にはまだ早い。

そんなある日、母親が弟を抱いて外出し、一人で留守番することがあった。
そんな時、取り込まれた洗濯物の中に弟のおむつカバーを見付けた。

履くには小さすぎる。半ズボンとパンツを脱いで自分のオチンチンに当ててみる。

なんかオシッコがしたくなるような興奮を感じる。
まだ精通はない、初めて夢精したのはもっと後になってのことだ。

洗濯物の中に黒い布がチラッと目についた。

なんだろう?
洗濯物のからその黒い布を手に取ってみる。
パンツだ!それも女物!かあちゃんのだ!

だってオシッコする前開きの穴がない!

かあちゃんが普段履いているパンツとはなんか違うな?

 

木綿製ではなくてナイロン製だ!
前の部分の布地がなにやら少し厚い。裏返してみるとゴム製の長方形の布が小さなボタンでパンツに付けられている。変わったパンツだなぁ。


その頃は女性に生理が訪れるということは知らなかった。

何を思ったか、自分はその黒いパンツを履いてみた。


小さいと思ったパンツは意外と伸縮性があって伸びる。一気に上まで引き上げる。

ぴっちりとした履き心地。
気持ちいい・・・ 

適度な圧迫感が股を締め付ける、なによりゴム布の部分が自分のオチンチンにぴったり吸い付いてなんとも言えないいい気持ちなのだ。

自分は暫くの間、その黒パンツの心地よい感触に浸っていた。


お母ちゃん、痔なのかな? オシッコ漏れるのかな?
なんでこんな黒パンツは履いているんだろうか?
疑問は晴れないが、母親が返ってくるかも知れないので、その黒パンツを洗濯物の山に戻した。

その後、母親不在の時に度々、母親の箪笥の引き出しを開け、この前の黒パンツはないか探してみた。

引き出しには下着類がやや乱雑に納め込まれている中、その片隅にあったあった。それも何枚もある。黒だからすぐに見つかる。傍らには箱に入ったままの新品もあった。そっと開けてみる。中には細長いゴム布だけが入っていた。元に戻す。

 

その1枚を手に取って見る。かなり使っていたのだろう。

何枚もあるし、これなら1枚位持ち出しても母ちゃん気が付かないだろうな?!とその1枚を抜き出した。

いろいろ裏返したりした後、当然に履いてみたくなった。履いてみると気持ちいい。こんなパンツ、いつも履いていたいなぁ。

まだ小学生である。暫くその気もいい感触を楽しんだ後、そっとその黒パンツを元あった場所に戻した。


後に女性には「月経」とよばれる出血が毎月訪れること。その黒パンツは「生理帯」と呼ばれる月経時専用の下着であることを知ったのは中学に入ってからのことである。
小学生の頃の甘美ないけない思い出の一つである。

 



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